檜尾岳(避難小屋泊)
- YuKin
- 2018年12月31日
- 読了時間: 7分
2018.12.31~2019.1.1 中央アルプス木曽駒ケ岳の玄関口、千畳敷(せんじょうじき)より空木岳(うつぎだけ)方面へ縦走し檜尾岳(ひのきおだけ@2827m)へ登ってきました。
本当は空木岳まで行く予定でしたが私たちの登攀技術では危険と思い、檜尾尾根より下山する計画としました。

1日目は檜尾(ひのきお)避難小屋まで。
初めての中央アルプス縦走なので、未知の領域です。
地図はヤマレコより引用。登山の際は必ず最新の地図をご確認ください。

早朝。
道の駅から朝日で燃える中央アルプスが見えていました。

管の台バスセンターに着いた頃には車が一杯。
バスが到着するまでバス停にはザックの渋滞が出来ていました笑
私たちは2番目の臨時バスになんとか乗ることができました。
駐車場は600円/回なので、数泊分停めておいても600円という長期利用者にはお得なシステムでした。

あっという間に千畳敷へ到着。
既に数十人の方々が突撃しています。

一方、千畳敷から左回りして極楽平(空木岳方面)へ行く斜面には足跡あるけど人影一切なし笑
危険信号点灯、木曽駒ケ岳への変更考えました。

暫く悩んでいるとロープで繋がった(コンテというのかな)3人ほどのグループと、ソロの方×2名ほどが先行して登られて行きました。
それを見て私たちも行けるところまで行ってみることに。(先に登ってくれる人を待ってた!)

極楽平まではなかなかの急斜面で、相方はここの登りがけっこう怖かったとのこと。
この登りでかなり暑くなったので早くもベースのシャツとソフトシェルだけになりました。

極楽平に到着。
空木岳方面はこんな感じですが、肝心な空木岳は稜線に隠れてしまって見えません。

振り返って宝剣岳方面はこちら。
先行して登っていった方の人影が見えたけど、全員が宝剣岳方面へ行ったのかは分かりませんでした。
果たして空木岳方面はトレースがあるのか、不安である。

三ノ沢岳@2847m
こちらへ縦走しているグループも見えました。

稜線から左側、手前の尾根が檜尾尾根、奥の尾根が池山尾根です。
池山尾根のピーク、空木岳@2864mも見えました。

最初は少し下って少し登り返せばすぐ避難小屋かな~と思っていましたがそんなことはありませんでした。
中央アルプスの稜線はとにかくアップダウンが大きいです。
ただこの時点でピッケルは杖スタイルです。

この日の雪は結構カッチリしていてアイゼンも良く刺さります。
肝心なトレースもあったので、安心してこのまま進むことにしました。
※トレース・・・先行者の踏み跡

ここが少し下ったところ。
危険な雪庇(せっぴ)には絶対に近づかないようにします。
※雪庇・・・山の尾根の風下がわに、庇(ひさし)のようにせり出した積雪。

とてもいい天気で視界はこれ以上ないくらい明瞭です。

なんか道標があったので記念撮影!
地図に載っている濁沢大峰というところで、まだ檜尾岳ではないです。
そして行く先に大きな岩があります、、、

岩を迂回するため、斜面を滑らないように一歩一歩集中して進む必要があって疲れます。
ここからのルートは徐々に険しくなりました。

写真では傾斜が全く伝わりませんが、滑ったら大事故になるかもしれない。
ただ、まだこの時点でピッケルを完全に支点として使用せずとも進めました。

登り切って尾根に到達!

私たちはここまで痩せてて雪の積もった尾根を歩くのは初めてかもしれません。

先ほどまでは見えてなかった檜尾岳本体が見えてきました。
その手前でざっくり200m程の登り返しとなります。
檜尾岳ピーク左側の尾根にちょこんと小屋が建っているのが確認できます。
もし避難小屋が満員だったら、檜尾尾根下山しか選択肢はありません。
日の入りと残り時間を考慮するとヘッデン確定となるので、空いていることに期待、、、!

こちらの登りも急斜面は迂回、緩やかになったら直登と切り替えながら進みます。
トレースを見失わないように細心の注意を払いました。
写真だと斜度が全く伝わらない(-_-;)

ようやく最後の稜線に到着!

よっしゃああ!あれは看板だ!
やっと斜面のプレッシャーから解放されました。。

檜尾岳(ひのきおだけ@2728m)に登頂!
背後には南アルプスと、八ヶ岳。

写真左側の空木岳も近くなりました。

宝剣岳方面を振り返る。
そこそこ歩いてきたなぁ。

三ノ沢岳の背後に御嶽山(おんたけさん)。

時間節約の為、さくっと記念写真を撮ったら下山開始!
相方のポーズがよくわからん(^-^;

後は頂上から尾根へ少し降りて目の前の檜尾避難小屋に行くだけです。
ところが、ここの斜面は下が覗けないくらい急で、今回の山行で一番怖かったです。
まさかの最難関ポイントが待っていました、、、!

まず斜面に向かって左側からぐるりと回り、元の尾根上へ戻るようにトラバースを行きます。
ピッケルを雪に深く刺して完全に支点として使いながら進む必要があるくらいの斜面でした。
一歩間違えればそのまま凍った雪面上を滑ってしまいます。

斜面を降りた後、下から見上げた斜面です。
途中で写真を撮る余裕がありませんでした。
私は怖かったので途中で斜面に体を向けてバックステップで一歩一歩垂直に降りました。

よ~やく檜尾避難小屋に到着!
なんと中には誰もいませんでした。
満員じゃなくてラッキー!!
右側の小部屋はボットン式のトイレです。
凍結で扉が開かなかったけど、ピッケルで氷を除去し開くようにしておきます。
ペーパーがなかったけど、持参してきたので助かりました。

小屋の中は広く、緊急用のマットやシュラフが常備されています。
スゴイ!

お世話になりますのでもちろん協力金を入れさせてもらいました。

小屋に着いた時点ではマイナス5℃。
そこまで寒くないけど夜中は果たしてどうなることやら。

窓から檜尾岳チラリ。

日の入り。
南アルプスが赤くなってきました。

宝剣岳方面も赤くなっていますが、いかんせんこちら側からはあまり見えないので朝日に期待。

夕食。
インスタントの年越しそばです笑
それでも地上で食べる時より50倍美味しかったです。

夜景。
駒ケ根市と南アルプスがキレイ!

そして檜尾岳を窓から撮影。
薄っすら天の川が見えてる気がする。
貸し切りの避難小屋で、なんだか贅沢なひと時に感じました。
夜中は風が強く、ゴォゴォ音を立てているので小屋が飛ばされるんじゃないかと思いました。
ダウンを着こんで、担いできたホッカイロをあちこちつけて快適に眠ることができました。

2日目 朝日。
あけましておめでとうございます!
南アルプスのさらに奥、ちょこっと顔を出していた富士山の右側から御来光きたー!

千畳敷・宝剣岳方面も朝日に照らされています。

因みに早朝小屋内の気温はマイナス14℃でした。
日の出の撮影は風が強くて寒すぎるので10分程度が限界でした笑

水筒に入れていた水も凍結してしまいました。

荷物をまとめたら下山開始します。
そこそこ急な斜面ですが、昨日の斜面に比べればなんてことないです。

しかしながら一部に痩せた尾根、急なトラバースもまだあるので集中しながら進む必要があります。

シャクナゲのピーク(2440m地点)。
有難いことにピンクテープの目印が等間隔で設置されいます。
さらにトレースもあるので安心です。

本日も最高にいい天気です。

2130m地点。
雪が柔らかくなってきました。

ここまでくるとゆったりとした尾根道になって歩きやすいです。
たまにズボっといくけど笑

赤沢の頭(1992m地点)に到着。
ここから登山口まであと3.7kmです。

雪もすっかり薄くなってきてアイゼンもいらなくなりました。

さらにジグザグに進み、標高も一気に下がります。

1524m地点。
登山口まであと1.6km。

檜尾橋登山口に到着!
すぐ近くにバス停もあって1時間毎に運行されています。
ここから管の台バスセンターまで約5kmの舗装路を歩くことにしました。

管の台バスセンターに到着!!
登山口から舗装路を1時間くらい歩きました。
今回の山行を振り返ると、私たちの登攀レベルを少し越えているような気がしました。
特に檜尾岳から避難小屋へ向かう下りの斜面ではかなりの恐怖を感じました。
それでもクリアできたのはいつも以上に慎重に進んだからなのか、たまたまなのかわかりません。
アイゼン歩行やピッケルワークについてもっと勉強し実戦する必要があると感じました。
また雪の質によっても難易度が急変しそうな感じです。
とはいえケガなく下山でき、中央アルプスの景色を堪能出来てとても良かったです。
空木岳はまた別の機会にピークハントしたいです。
おいまい。
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